今月のトピックス Vol.14 【立ち耳】 「対耳輪形成術」~立ち耳の方、耳が大きく、髪を結ぶと目立ってしまう方に~

美容医療の最新の話題をお伝えする「今月のトピックス」。
今回は、耳の話題をご紹介します。


「立ち耳」という言葉をご存知ですか?耳の形状、特に耳の立ち具合は遺伝による影響が大きいようです。アニメーションや漫画では、耳の大きいキャラクターもいて、かわいいと感じられる方もいらっしゃいます。しかし、キリスト教が生活の背景にある欧米では、大きな耳や立って見える耳が悪魔の耳を想像させることから敬遠する傾向があり、歯列矯正と同じく幼少期には立ち耳を治すことが常識とされているようです。生活と宗教との結びつきが薄い日本では、周りの方から気にされることはほぼ、ありません。バレエをされる方など髪をしっかりと結ぶことが多い場合は目立つかもしれません。

頭から横に30度以上張り出している状態を立ち耳といいます。一般的に耳といわれる部分は外耳(がいじ)といい、外耳のふちを耳輪(じりん)、耳たぶは耳垂(じすい)、立ち耳は耳たぶのひだの対耳輪(ついじりん)と呼ばれる部分が未発達の場合が多いようです。耳のひだが少なく、つるんとした見た目になっています。対耳輪は胎児の段階で形成されるため成長の過程でできるものではありません。
そこで立ち耳を少しでも寝かせるため、対耳輪を作る施術を行います。

 

● 対耳輪形成術

この施術では、耳の後ろの軟骨に切り目を入れて繋ぎ合わせて折り目を作り、耳が頭に向かって「曲がっている」状態にします。マットレスのように折りたたんで山と谷を作る縫合手段なので、マットレス法と呼んでいます。

 

こんな方におススメ

  • ☑︎ 顔を正面から見たときに、両端に耳がしっかりと見える
  • ☑︎ 耳が顔の横に開いているため、顔が大きく見える

 

施術の流れ、アフターケア

  1. 1.カウンセリングを行い、耳の状態をみながらデザインします。
  2. 2.局所麻酔で行います。極細の注射針を使用するので痛みはほぼ感じません。
  3. 3.日帰りです。手術は1時間ほどで終了し、ご休憩された後、お帰りいただけます。
  4. 4.痛み止めや抗生剤をお渡しします。
  5. 5.体を温めると痛みを強く感じるかもしれません。当日の入浴は、お控えください。3日目に消毒に来院してください。
  6. 6.止血と軟骨のクセ付けのため、ガーゼと糸を使った「ボルスター固定」という特殊な固定をします。約1週間後に抜糸の際に外します。洗顔で水にぬれないようビニールを使うなど、清潔に保つことが大切です。めがねは、抜糸の後からご利用ください。
  7. 7.様子をみながら診察を行います。1カ月ほどで患部の赤みが落ち着き、2カ月ほどでほぼ完成します。ご不安、ご心配があれば、いつでもご連絡ください。

 

リスクについて

● 手術中の感染がゼロではありません。手術後の傷あとからの感染、合併症の可能性があります
● 術後出血、傷口が開く、元に戻るなどの可能性があります

 


今回の施術は、日本ではあまり聞きませんが欧米では一般的です。幼少期の6歳ぐらいに受けさせることが多く、難しい施術ではありません。日本と欧米との文化の違いを感じますね。

私は、昨年末から続けざまに対耳輪形成術を行ったのですが、逆に立ち耳をかわいいと感じる方が、わざわざ耳を立たせてほしいと来院されることがあります。

20年ほど前には飲食業を営んでらっしゃる方から「立ち耳でポニーテールが憧れ」だと依頼され、外耳の裏から糸をかけて耳を反らせる施術を行いました。皆さんの好みはそれぞれなので、私はご希望に沿いながら美しく仕上げるため、尽力するのみです。

 

 

これからも、さまざまな施術をご紹介しますので、ぜひ、ご参考になさってくださいね。