2023.10.1
今月のトピックス Vol.21【乳房挙上術(マストペクシー)】出産や加齢などによるバストの形のお悩みに
美容医療の最新の話題をお伝えする「今月のトピックス」。皆さん、バストの形、気になりませんか?今回は、垂れたバストを引き上げる施術をご紹介します。
前回は大きすぎるバストの形を美しくサイズダウンする方法をご紹介しましたが、出産や加齢などで垂れてしまったバストの形を整える方法もあります。理想的なバストの形は、その方の体型によって違います。黄金比でご説明すると、両方の鎖骨の間と両乳首の間を結んだ線がほぼ正三角形になると見た目にもバランスがとれ、ちょうどいいとされています。
このように乳首の位置はバストの見た目にとても重要です。そこで出産や授乳による皮膚のたるみや加齢によって乳房が下垂した方におススメの方法があります。
◇乳房挙上術(マストペクシー)
下垂した乳房の皮膚を最小限切開して縫い合わせ、下垂した乳房を引き上げる施術が乳房挙上術(マストペクシー)です。乳首の位置を確認し、乳輪の周りを下垂のレベルに合わせてドーナツ型に表皮剥離して縫い合わせます。乳房下垂にはⅠ度からⅢ度までのレベルがあります。分かりやすく言えば、乳首が正面を向いているか、下向きなのかを判断する基準です。
患者さまの皮膚にハリがあり、乳腺や脂肪が十分であれば皮膚を切除して縫い合わせるマストペクシーのみで乳房を引き上げることができます。そのため術後の授乳も問題ありません。脂肪が足りない場合は、脂肪注入や人工乳腺(シリコンバック)を入れる豊胸術を同時に行います。
こんな方におススメ
- ☑︎もともとバストの形が下垂している
- ☑︎ 授乳後に垂れたバストの形を整えたい
- ☑︎ 加齢により、バストが下垂した
施術の流れ
- 1.カウンセリングを行います
患者さまのバストの状態を診察し、どのようなバストをご希望なのかお聞きします。その上でデザインをご提案し、どのような術式を行うかご説明します。手術は日帰りです。麻酔は局所麻酔、または硬膜外麻酔で行います。場合によっては全身麻酔も可能です。血液検査を行い、患者様の体調や全身の状態も確認します。 - 2.手術当日
手術は1時間ほどです。乳輪の周りをデザインのとおりに切開して表皮を剥離、切除して特殊な糸で縫い合わせます。手術後は、しばらくクリニック内でお休みいただきます。お帰りの際に、抗生剤や痛み止めを処方いたします。帰宅後は、細菌感染を避けるためにも入浴、シャワーはお控えください。うつぶせ寝など胸部に力を加えることもお控えください。 - 3.手術翌日に検診を行います翌日、検診のためご来院ください。患者さまの体調、手術痕の状態を確認します。検診の際には、不安な点や分からないことなど遠慮なくお伝えください。状態によって当日のシャワーなどが可能か判断します。約1週間後に再度、検診いたします。
- 4.抜糸
患者さまの状態によりますが、手術から約1週間後に抜糸を行います。状態を診て、入浴が可能かなど判断します。
アフターケア
● 検診の状態で5日~7日後に再度検診を行い、患部の状態を確認します。
● 1カ月検診を行い、状態によってひと月ごとに確認します。
● 患者様の皮膚の特性(傷が腫れやすいケロイド体質など)によりますが、手術痕が消えるまで1年ほどかかります。ご希望があれば経緯を撮影した画像をご覧いただけますので、お気軽にお尋ねください。
リスク
● 術後出血、傷口が開くなどの可能性があります。
● 抜糸があります。
● 手術を行うドクターの経験不足によるシワや手術跡が残ることがあります。
症例写真
私が執刀する手術では、眼瞼下垂のつぎに乳房に関するものが多いです。今回ご紹介した乳房挙上術にも当クリニック独自の工夫があります。当院のマストペクシーは乳輪の周りを最小限削除して縫い合わせるので傷あとは分かりません。患者さまの乳腺、脂肪をそのまま残して引き上げるので術後の授乳も可能です。患者さまの状態によりますが、加齢により下垂した乳房の場合、乳首だけを上部に移動させても違和感しかありませんね。垂れた皮膚を縫い合わせるとシワにもなります。
カウンセリングの際にはご希望をお聞きして診察し、現在の状態をしっかりと把握した後に豊胸術との併用など、いくつかの方法をご提案するのでご希望はお気軽にお伝えください。乳腺外科は私の専門でもあるので、不安や疑問などがあれば安心してご相談ください。どのような場合でも当院はドクターの技術と経験値、デザインのセンスに自信があります。