脂肪吸引とは?

脂肪吸引とは、皮膚のしわなどの目立たない箇所を数ミリカットして専用の吸引管（カニューレ）を挿入し皮下脂肪を取り除く医療のことです。ダイエットと比べて一度施術をした部位は、脂肪細胞の絶対数が減るので、太りにくくなるという特徴があります。部分的に細くしたい方、痩せてもまたリバウンドをしやすい方におすすめです。また脂肪には「内臓脂肪」と「皮下脂肪」がありますが脂肪が落ちる順番はまず「内臓脂肪」が先で、その後「皮下脂肪」です。

そのため「皮下脂肪」は落ちにくいのが特徴で食事制限や運動の効果が出にくいと言われます。しかも体質によって「下半身から脂肪がつきやすい」「お腹の脂肪がなかなか減りにくい」など個人差もありダイエットや運動で体重が減り全体的に痩せることはできても、気になるパーツの部分痩せは不可能です。

更に、大人になると脂肪細胞の数は一定となり増えることはありませんが、ダイエットが脂肪細胞1つ1つの大きさを小さくするだけなのに対して、脂肪吸引施術は脂肪細胞の数そのものを取り除きますので、残った脂肪細胞が将来的にまた大きくなってしまったとしても、その部分だけは脂肪細胞の絶対数が少なくなっているため2度と太りにくい体質になります。これがダイエットと脂肪吸引の最大の違いであり脂肪吸引の大きなメリットです。

1.脂肪吸引部位のでこぼこ（凸凹）

脂肪吸引後は吸引した部位が硬くなったりひきつれたりすることがありますが、これは炎症による一過性ものなので、施術部位のセルフマッサージを行うことで徐々に改善していく心配のないものです。一方、皮膚の下に脂肪がありその更に下に筋肉がありますが、皮膚に近い浅い層の脂肪を吸引し過ぎてしまったり、取り除く浅い層の脂肪が均一でなくムラがあったりすることが原因となり、皮膚がボコボコになってしまった場合は、修正のための外科的処置が必要になることもあります。
取り過ぎてしまった部位には脂肪注入をし、凹みの部分に脂肪を少量ずつ足していったり、また取り残しによるボコボコの場合は脂肪融解薬を注入したり、平らにするための脂肪吸引をして脂肪を均一にするなどの治療を丁寧に行うことで改善が見られますが、治療の選択やさじ加減は長年の経験と技能力が必要となります。

2.細くなっていない

皮膚に近い浅い脂肪層を取り過ぎると凸凹になってしまうというリスク回避のため、逆に脂肪を充分に取り切れなかったことが原因で起こります。症例経験が少なかったり技術が未熟だったりする場合、脂肪の取り残しが起こりやすいことが多いです。細くなってないからと再施術を行う場合こそ、ただ取り残しの脂肪を吸引するだけでなく、どこから脂肪を取り逆にどこの脂肪を残すかを計算しながら、美しい曲線を造形していく美的センスが大いに求められる施術になります。

3.左右差がある

施術前には患者様の脂肪の量や付き具合、筋肉、骨格などを考慮しながら医師が直接患者様の皮膚にペンでデザインを行い、施術中はこのデザインを元に吸引していく重要な役割を担っていますが、このデッサンがそもそも間違っていると当然左右差が生じます。また、デザインが正しくても、吸引中に左右の吸引圧、吸引量、カニューレの選択を見誤うことでも左右ができます。

4.形が悪い

脂肪吸引は単に吸引量を多くすればいいというわけではありません。
例えば太ももの場合、根こそぎ脂肪を吸引した場合、太ももの付け根周りと膝周りの太さがあまり変わらない不健康な棒脚になってしまい、魅力に欠けますよね。患者様の多くが「太もも内側の出っ張り」と「外側の張り出し」「ひざの上の肉」を取り除きたいと希望されます。脂肪吸引はこれらのポイントを確実に押さえるのはもちろん、更に形の悪い脚線を脚線美に造形することを重要視しながら吸引していきますので、生足が自信もって出せるようなかっこいい脚に造り変えていきます。

5.皮膚がたるむ

皮膚に近い層の脂肪を取り過ぎるとたるみが生じやすくなります。腹部の場合、腹筋を鍛えることでたるみが改善し目立たなくなりますが、改善しなければ皮膚切除を行います。下着に隠れる部分を利用して、下腹部を切開し余剰皮膚を切除します。状況によってはおへそも形成するケースもあります。全身麻酔になり大掛かりな施術になるので、たるみが生じる可能性がある場合は、1回目の施術で医師はたるみが生じないように吸引する脂肪層に細心の注意を払う必要があります。

脂肪吸引麻酔について

当院ではお腹や太ももなどの広範囲の場合は、硬膜外麻酔や局所麻酔を組み合わせて麻酔を行います。硬膜外麻酔とは、無痛分娩の際にも使われている背中からカテーテルといわれる細い管を挿入し、意識がある中で、痛みだけを取る麻酔法です。当院は30年の歴史がありますが一貫して硬膜外麻酔をメインとしています。
その理由は、硬膜外麻酔と脂肪吸引の相性が良いからです。硬膜外麻酔の優れたところは麻酔液の量を最小限にしながら、腹部や太ももなどの広範囲の痛みが取れることです。麻酔の量が多いほど体に負担がかかりますし、全身麻酔と違い体への負担が少ないので、日帰りが可能です。

また患者様の意識がありますので、施術中体位交換が容易に行えることです。特に太ももなどは前面、内側、外側、後面など全周性に行うことが多いため、患者様にもご協力頂き、体の向きを変えていくことが可能なので、その分施術時間も短縮できます。それでも中には、どうしても眠った状態でしてほしいと希望される方もいらっしゃいます。そのような場合は、静脈麻酔と併用で行うことも可能です。術後少し休んでそのまま帰宅できる安全性の高い方法ですのでお気軽にお申し出ください。

更に・・帰宅後痛みが心配な方へ

術中は麻酔により痛みのコントロールを充分に行っていくので無痛ですが、術後筋肉痛のような痛みが生じます。皆様に痛み止めや消炎剤を処方しており、こちらで対処して頂いていますが、痛みに弱くそれだけでは不安な方にはオプションとして「エクスパレル麻酔」をご用意しております。

この麻酔を使用すると、痛みが最も出やすいとされる施術後 72時間、約3日間の痛みを抑えることができます。世界中の外科系の手術で使われており、米国で2011年にFDA認証された局所麻酔なので安全です。有効成分がリボソームと呼ばれるナノカプセルに含有し、少しずつ薬剤が放出されることで鎮痛効果が72時間持続します。

私は30年前から自分のクリニックで脂肪吸引を行ってきましたが当時カニューレと呼ばれる吸引管は全て5㎜〜10mmと太い種類しか無く現在の2㎜の細い吸引管は後期になって登場してきます。当時脂肪吸引はまだ歴史が浅く、美容外科全体のレベルも今よりも低かったので、凸凹になったり醜い形になって当院に修正を希望する方が多く、私も何とかしてあげたいと手探りで修正を行ってきました。その経験が現在の修正術にも大いに生かされています。

私の経験則から申し上げるとベイザーを使っても使わなくても仕上がりに大差はありません。他院にて「ベイザーのほうがたくさん吸引できる」との説明を受けたのでしたら、それはその医師が「ベイザー」を使わないとたくさん脂肪を取ることができない技術力しか無いのかまたは「ベイザー」を1つの「目玉商品」としてお客様を惹きつける「宣伝材料」としての位置づけの意味もあるのではないでしょうか。

「ベイザー」は決して悪い機器ではなく、否定する要素は何1つありませんが、昨今「ベイザー脂肪吸引だからたくさん取れる」「ベイザーのほうが結果がいい」「ベイザーは術後の腫れが短くて済む」など情報弱者の方々に誤解を与えるような広告内容が多く見受けられるのも事実です。

それよりも術者の美的センスやキャリアによるほうが大きな差を生むということをご理解頂き、道具に左右されず、実力のある医師を時間をかけて見つけて頂くことが大切です。カウンセリングの際は症例画像をご覧頂くとクリニックや医師のレベルを知る手がかりになります。
今までベイザー脂肪吸引した方でも、皮膚がガタガタで脚が出せない。お腹が引きつれて水着が着れないなどのケースを数多く診てきました。修正や再施術は非常に難易度も高くやっかいです。これから脂肪吸引を検討されている方はどうか1発OKでキメるために、医師選びは慎重に行い、道具で選ばないようにしてください。

私は30年前から脂肪吸引を行っており、当院スタッフたちや家族や親近者にも頼まれて、その都度施術をしてきましたが、患者様でも身内でも、一貫して自分の腕1本で行っています。今後もこの手法を続けていくでしょう。

同業医師からは私の施術を『コムロマジック』などと呼んで頂いているようですが、仕上がりの良さは道具ではないと確信しています。当院にある豊富な症例画像は全て私の作品です。術後の健康的で女性らしいフォルムをご確認いただけます。