今月のトピックス Vol.19 【二重まぶた】 埋没法と切開法のメリット、デメリット

美容医療の最新の話題をお伝えする「今月のトピックス」。今回は、二重まぶた施術の方法についてお話しします。


腫れぼったいまぶたや、たるんでしまったまぶたをきれいな二重にしたいという方に、私たち美容外科医は2つの方法でアプローチします。一つは「埋没法」、もう一つは「切開法」です。このところ「埋没法」がマスコミに取り上げられて話題になっています。切らずにできる施術で費用も安価だと紹介されているのですが、良いことばかりではありません。今回は埋没法のリスクを中心にご紹介します。

 

◇埋没法(瞼板法)

埋没法とは、心臓手術にも使われるような細く特殊な糸を使い、まぶたに数か所結び目を作ります。瞼板(けんばん)、挙筋の境目をしっかり固定し、二重のラインを作ります。

 

●埋没法のメリット

  • ・ダウンタイムが短い
  • ・切開法と比べて費用が安い
  • ・ラインの変更が容易

 

●埋没法(瞼板法)のデメリット

  1. 1.強い痛み、腫れをともなう
    ほとんど痛みがないと紹介されることが多くみられますが、実際には手術中に強い痛みを伴い、腫れやすいので大量の麻酔の使用が必要です。もちろん、手術には麻酔を使用しますが、瞼板は硬い軟骨組織です。軟骨自体に直接麻酔を注入することはできないので、瞼板の周辺だけに麻酔を注入することになります。瞼板には麻酔が効いていないので、患者様は想像以上の痛みを伴うことが多いです。また、医師が瞼板に針を刺してまぶたの皮膚を固定するため、糸を強く結ぶ必要があります。まぶたに糸を強く縛ると当然、術後は腫れが強く出ます。このように瞼板法は麻酔時、手術中の痛みと手術後の腫れが強く出る方法です。
    さらに最近は、3点、4点と複数の点留めで二重ラインを長持ちさせる手法も紹介されていますが、点留めを多くするとそれだけ痛みと腫れが強く出るので注意が必要です。
  2. 2.仕上がりが不自然
    瞼板法はまぶたの皮膚から軟骨部分の瞼板に糸を通して強く結びつけるので、瞼板がゆがんで二重ラインの食い込み方が不自然になる場合があります。瞼板の高さには個人差がありますが、約8~10mmです。糸を通すのは、まぶたの端から7~8mmぐらいの位置です。そのため10mm以上の幅広い二重をご希望の方は瞼板法はできません。二重ラインの幅を広くする場合には糸を強く結ぶ必要があり、瞼板のゆがみはなおさらです。そのため、仕上がりの二重幅を狭くしたい方に適している方法です。
  3. 3.角膜を傷つける、瞼板の変形リスク
    瞼板法の手術後は、瞼板の表面に糸が乗り、角膜側に糸が露出するのでまばたきをしたり、目をこすったりしたときに角膜に傷がつくリスクがあります。手術から数年経ち、糸が劣化して切れてしまった場合、切れた糸の断端が角膜を傷つける可能性もあります。瞼板がダメージを受けて目がゴロゴロするなどの違和感や、ドライアイの原因となるリスクもあります。瞼板に糸を留めるため、瞼板が変形するリスクも避けられません。毛細血管が破壊すると栄養や酸素を供給する機能にも悪影響が出ます。
  4. 4.二重のラインがとれやすい
    二重ラインを糸で人工的に再現するため、絶対に外れないということはなく、効果が永久的ではありません。点だけで留めているので取れやすいです。また、硬い瞼板に糸を通すので経年によって糸の力に負けてしまうと二重ラインが取れやすくなります。取れにくくするために固定位置を増やす方法を紹介しているサイトもありますが、(1)でお知らせした通り痛み、腫れが大きくなること、さらに1点の糸が外れた場合などはライン全体の見た目がおかしくなります。修正する場合も抜糸をしづらくなるのでおすすめできません。
  5. 5.眼瞼下垂になるリスクがある
    埋没法には「瞼板法(けんぽんほう)」と「挙筋法(きょきんほう)」の2種類の手術方法があります。一部のサイトで「挙筋法(きょきんほう)」は眼瞼下垂になりやすいと説明しているのですが、この説明には医学的な根拠がありません。手術方法が直接的な眼瞼下垂症のを引き起こす原因になることはありません。ただし、瞼板法では軟骨部分の瞼板が破損、またはゆがむリスクがあり、眼瞼下垂症状が現れる可能性があります。
  6. 6.一般眼科の診察が難しくなる場合がある
    瞼板に糸を通して結びつける方法は、上まぶた(上眼瞼)が反転しにくくなります。のちのち、一般眼科の診療を受けるとき、定期健診やコンタクトレンズの検診、目の治療でまぶたを触る場合には気を付けなければいけません。ただ、埋没法では縫合糸膿瘍のおそれがあります。眼科を受診する際には手術を受けたことを医師に伝えたうえで診察を受ける必要があります。
  7. 7.ラインの修正がしづらい
    埋没法は、二重ラインを変えたい場合、修正することができます。瞼板法も術後のライン修正が可能ですが、瞼板にしっかり結んだ糸は取りづらく、抜糸が難しいです。また、抜糸を何度も繰り返すと糸に対してアレルギー反応を引き起こすリスクが高まります。なるべく1回の手術で理想的な目元に近づけなくてはなりません。医師の技術と腕が大事です。

 

◇切開法

切開法は埋没法ではなし得ない腫れぼったいまぶた、タルミのあるまぶた、窪んだまぶた、そして眼瞼下垂の治療といった幅広い治療が出来ます。しかも二重ラインの強弱も可能です。

 

●メリット

  • ・皮膚のたるみを切除できる
  • ・ハッキリした二重まぶたが可能
  • ・ラインは永久に持続します
  • ・幅広いラインも対応可能
  • ・いろいろなご希望に対応可能

 

●デメリット

  • ・抜糸がある
  • ・ダウンタイムが長い
  • ・ライン変更が困難
  • ・手術を行うドクターの経験不足による手術跡が残ることがある

 

埋没法、切開法、いずれもメリットとデメリットがあります。

まとめとして、メイク感覚であれば、埋没法は魅力的ですが、生涯二重を望むならば切開法です。ベテランドクターによる切開法が最近増えています。とても良いことだと思います。芸能界でもほとんどが切開法です。埋没法では、いつ戻るか分からないリスクを抱え不安な日々を送ることになります。

患者様もしっかり内容を把握することは大事です。当院に来院された患者様にはご希望をお聞きしながらさまざまな方法をご提案します。カウンセリングは時間をかけておこないますので、不安な点はなんでもご相談ください。

 

 

これからもさまざまな施術をご紹介します。ぜひ、参考になさってください。